この恋、国家機密なんですか!?


どうやらイケメンさん……高浜さんと言うらしい。
高浜さんは、彼女がいるみたい。

ちっ、つまんないの。


「いや、あの、そんな、からかわないでくださいよ」


照れて言う顔もイケメン。

そんな彼らは5人のグループで、他の20人とは少し離れたところにいた。

どうやら、同じ官公庁でも部署の違う人たちがねじこまれてしまったみたい。

経費削減とか悲しいこと言ってたもんね。


そんな彼らを一緒のバスに載せて、向かったのはなぜか、愛知県の田舎だった。

みかん畑が連なっている「オレンジロード」なる道路を通り、みかん狩りをした。

そのあと、老舗ホテルでランチバイキングを楽しみ、夕方から港の近くにある遊園地とアウトレットモールがある「ラグーナ蒲郡」なる商業施設で自由時間。

私はそこの駐車場で、運転手さんと一緒に、イカの姿焼きで簡単なお昼をすませ、歯を念入りに磨く。

日没とともに遊園地の中と、港に泊まっている船の上でイルミネーションがともるらしく、高浜さんが背の小さな女の人と手をつないで、てくてく歩いていくのがちらっと見えた。

いいなあ……そういえば、もうすぐクリスマスかあ。

私はぼんやりと、駐車場から見える観覧車を見上げた。

緑、赤、青、黄色。

次々に色の変わっていく、きれいな観覧車だった。






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