この恋、国家機密なんですか!?
8.電話と私
いったいなんなの……。
二人のSPに案内された先に停まっていた車に乗せられ、私は警視庁に来ていた。
会議室のような、机といすだけがあるがらんとした部屋で、大西さんと待っていると。
「いやあ、参りましたね……」
血みどろだった高浜さんが、黒いジャージに着替えて戻ってきた。
シャワーを浴びたらしくて、顔も髪も、キレイになっている。
「お待たせしました。では、今あったことについて、説明をはじめようと思います」
並んで座る私と大西さんの前に、高浜さんは座った。
なんか、3者面談みたい。
「ええと……この前捕まえたストーカーについて調査したところ、彼はある新興宗教集団の一員であることが判明いたしました」
「は、はあ……」
「彼が捕まりそうになったとき、大西の動きを止めるために空砲が鳴りましたよね。あの時から、これは単なるストーカー事件ではなく、組織的な犯罪の一端ではないかと思われていたんです。」
……どういうこと?宗一郎さんは何も言っていなかったけど……。
もしかして、私が寝た後、警察の皆さんと連絡を取り合っていたのかな。