この恋、国家機密なんですか!?


「だけど……」


私に、そこに行く資格があるだろうか?


「私……つい最近、宗一郎さんとはお別れしたんですけど……」

「「えっ?」」


高浜さんと大西さんは、二人ともそのことを知らなかったみたい。

驚いた顔で、固まってしまった。


「ちょっと……待ってください。あいつそんなこと一言も……」

「えっ?」

「今日、あなたも危険だろうから保護してくれって、篠田から連絡があったんです」


そんな……なんで?

別れた女のことなんか、放っておけばいいじゃない。

っていうか、まだ日本にいたんだ……。

…………ちょっと待って。

もしかして、あれって……


「あの、宗一郎さん、海外に転勤だって聞いたんですけど……」

「はいっ?」


高浜さんはますます困惑顔。

やっぱり、嘘だったんだ……!


「なによ……わけわかんない……」


ウソをついてまで、勝手にさよならして。

それなのに、SPに守らせようとしたり。


「私はもう狙われる理由はないんです……」


家族でもなければ、恋人でもない。

私はもう、宗一郎さんとは他人なんだ。


< 122 / 214 >

この作品をシェア

pagetop