この恋、国家機密なんですか!?
「だけど……」
私に、そこに行く資格があるだろうか?
「私……つい最近、宗一郎さんとはお別れしたんですけど……」
「「えっ?」」
高浜さんと大西さんは、二人ともそのことを知らなかったみたい。
驚いた顔で、固まってしまった。
「ちょっと……待ってください。あいつそんなこと一言も……」
「えっ?」
「今日、あなたも危険だろうから保護してくれって、篠田から連絡があったんです」
そんな……なんで?
別れた女のことなんか、放っておけばいいじゃない。
っていうか、まだ日本にいたんだ……。
…………ちょっと待って。
もしかして、あれって……
「あの、宗一郎さん、海外に転勤だって聞いたんですけど……」
「はいっ?」
高浜さんはますます困惑顔。
やっぱり、嘘だったんだ……!
「なによ……わけわかんない……」
ウソをついてまで、勝手にさよならして。
それなのに、SPに守らせようとしたり。
「私はもう狙われる理由はないんです……」
家族でもなければ、恋人でもない。
私はもう、宗一郎さんとは他人なんだ。