この恋、国家機密なんですか!?
「なので……そこには、いけません。きっと、みじめな思いをするから……」
鼻の奥がつんと痛んだ。
宗一郎さんと同じ部署の警察官。その奥様方や、子供たち。
自分でもどうかしていると思うけど、今はその人たちに、会いたくない。
醜い、どうしようもない嫉妬だけど……。
その一員になり損ねた自分を、わざわざ確認したくなんかない。
「それにお正月休んじゃったんで、明日からずっと仕事なんです。行かなきゃ、クビになっちゃう」
そう言うと、高浜さんたちは眉間にシワをよせた。
「仕事はまた探せばいいじゃない。命が第一だよ?死んじゃったら、もう二度と仕事できないよ」
大西さんが優しく言う。
そんなのわかってる。
わかってるけど。
「唯さん……俺は篠田にあなたのことを頼まれました。あいつのためにも、あなたは安全な場所にいるべきです」
宗一郎さんのため?
意味がわからなくて、高浜さんの顔を見上げる。
「きっと……篠田は、あなたをこの事件に巻き込んでしまう予感があったから、距離を置いたのだと思います。決して、あなたがいらなくなったからではない」
そう言えば、宗一郎さんも、言ってた。
『俺だって、お前と離れたいわけじゃない』って……。