この恋、国家機密なんですか!?
「いや、可愛いひとですね、あなたは……」
「ま、まさか、高浜さんの奥さんにやきもち妬いてたのっ?」
な、なんで二人とも笑うのよ!
「何がおかしいんですか!高浜さんも、不愉快じゃないんですかっ?」
「いいえ、全然。うちの嫁が篠田のアドレスを知っているのは、妊娠するまで、篠田の下で雑用として働いていたからですよ」
……へっ?
「LINEだと通知が遅れる場合があるじゃないですか。緊急時のために、連絡先を教え合っただけですよ」
そ、そうなの?
「篠田は意外にいいやつでしてね、出産祝いをくれたりして。なんだかんだで、たまに連絡を取り合っているみたいです」
ふっと頭に浮かんだのは、大晦日に送られたしりあわせ画像に優しく微笑む宗一郎さんの顔。
もしかして、産まれたときから知ってるから、親しみがあっただけ?
「意外にって……高浜さん、不安じゃないんですか?奥さんが浮気してるかもとか、思わないんですか?」
「ええ、思いません。彼女は子育てでそれどころじゃありませんよ」
そういえば、双子ちゃんがいて地獄とか言ってた気が……。
たしかに、浮気してる暇なんかないだろうな。
なんか、色眼鏡で見すぎていたのって、私だけ?
恥ずかしい……かも……。
信用してほしい、全てをさらけだしてほしい。
そう思いながら、なんだかんだ理由をつけて、宗一郎さんを信じようともしなかった……。