この恋、国家機密なんですか!?


『あぁ……もうバレたのか』


あっさり認めたし。


『まぁそういうわけだから、事件解決までは高浜たちの言うことを聞いておけ。迷惑をかけて悪いが、次の就職先の面倒は見るから、とりあえず休職しろ。当面の生活費は振り込んでおくから』


生活費って……。

なんでわざわざ、そういう憎まれるような言い方をするの?

と思えば。


『だから……頼む。意地をはらずに、避難しておいてほしい』


そんな切実そうな声を出すから、反論できなくなる。


「それって……私に、被害にあってほしくないってことですか?」

『当たり前だ』

「それって……私のことが、まだ好きってことですか?」


勇気を出した質問は、彼のため息に吹き消される。


『……市民の安全を守るのが警察の役目だ。今回のことは、その役目と思ってくれればいい』


あぁそっか、警察だもん、元カノでも放置しておくわけにはいかないよね……ってオイ!


「じゃあ、転勤を理由に別れた意味は!?」

『もちろん、敵にお前を俺と無関係と思わせるためだ』

「も~~っ、私を守るためだって、言えばいいじゃない!」


お願いだから、まだ好きだって言って。



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