この恋、国家機密なんですか!?
でも聞こえてくるのは、大きなため息ばかり。
ムリだよ、宗一郎さん。
あんなスッキリしない終わり方じゃ、私はあなたを忘れられないよ。
「わかりました……じゃあ、避難します」
『そうしてくれ』
「その代わり……」
スマホをにぎる指に、力を込める。
「事件が解決したら、会いにきてください。仕事もお金もいりません。それは自分でなんとかします。だけど、宗一郎さんの代わりはいないんです。どこにも、いないんです。私はまだ、宗一郎さんが大好きなんです!」
しつこいのは承知で、私は一気に言い切った。
『……はぁ……』
だけど聞こえてきたのは、やっぱりため息で。
『わかった、解決したらもう一度話をしよう。でも俺は唯をこんな事件に巻き込むのは二度とごめんだし、結婚しないという主義は変わらない。……つまり復縁する気はないが、それでもいいのか』
いいわけない。
でも、少しでもあなたの中に、私が残っているのなら。
髪の毛一本くらいの希望でも、すがりつきたい。
お母さんの言葉を借りれば、アタックし続けるんだ。
あなたの気が、変わるまで。