この恋、国家機密なんですか!?
「いいです」
頑固者。
唐変木。
自己中。
秘密の総合商社。
縛るのが好きな、変態。
……でも、そんなあなたが大好きだから。
俺様ドSなのには違いないけど、あなたはあなたなりに、私を大切にしてくれた。
その束縛行為の中に、私はたしかに愛情を感じていたよ。
『……そうか。じゃあ、避難しろよ。決してひとりで出歩くな』
宗一郎さんは愛の言葉どころか、事件の詳細もいっさい話さず、一方的に電話を切ってしまった。
「唯ちゃん、カッコいい……」
気づくと、大西さんがキラキラした目でこちらを見ていた。
照れくさくなって、無言でスマホを高浜さんに差し出す。
すると彼はそれを受けとりながら、優しく微笑んだ。
「よくがんばりましたね」
そう言われると、凍っていた心が、溶けていく気がした。
ああ、やっと言えた。本当の気持ちを。
私はまだ、宗一郎さんが大好きだって。