この恋、国家機密なんですか!?
もしかして、例のカルト教団?
一瞬、私を狙ってきたのかと思ったけど、様子がおかしい。
それなら私だけをあのまま撃って逃げればよかったわけで、こんなに多くの人質をとるわけがない。
「後ろを向け」
手首をつかまれ、テロリストの一人に縛り上げられる。
いたっ、痛い!
もう、宗一郎さんだったらもっと上手に、痛くないけどほどけないように縛れるのに!
「そういえば……」
私を縛り終えたテロリストが後ろを向いたのを確認し、きょろきょろと宗一郎さんを探す。
すると、彼は他のテロリストに、おとなしく縛られていた。
顔を見られないようにか、自分で後ろを向いて両手を差し出す。
あ……あの宗一郎さんが……!
し・ば・ら・れ・て・る~~~~!!
なんだかいけないものを見ているようで、こんな事態だということも忘れてドキドキしていると、
「なんてこったぁ……」
「あいつら、なんなんだ……」
と、お客様たちの声が聞こえてきた。
いけない、しっかりしなくちゃ。
私は宗一郎さんの周囲を見回す。
「あれ……?」
さっきまで隣にいたはずの、若い彼女がいない。