この恋、国家機密なんですか!?
12.戦闘と私
「……とことん救えないな、お前たちは」
宗一郎さんは胸の痛みを吐き捨てるようにして、彼らをにらんだ。
たくさんの武器を向けられても、ひるむ様子はない。
「人の大事なものを自分たちの都合であっさり奪っておいて、味方が傷つけられるのは許せないというわけか。子供の理論だな」
「な……っ。黙れっ、こっちには人質がいることを忘れたか!」
代表は怒り、私を無理やり立たせる。
そしてナイフを捨てると、ピストルに持ち替えた。
銃口をつきつけられた私は、また恐怖で震える。
死にたくない。
死ぬわけにはいかない。
私がここで死んでしまったら、宗一郎さんはまた傷ついてしまう。
彼を見つめると、まっすぐに見つめ返される。
「……忘れるわけないだろう。唯は、俺が救う!」
言うが早いか、宗一郎さんが駆け出す。
驚いた代表が、私を離し、ピストルを彼に向ける。引き金に指がかかる。
ダメ────!
私は必死で、代表の腕にしがみつく。
──パアン!
銃声が響き、人質から悲鳴が上がった。
そのとき……。