この恋、国家機密なんですか!?
うわっ、すごい怪力!
っていうか、なんで高浜さんがここに!?
「唯さん、早く……!ここは篠田に任せて!」
そう言う間にも、銃声がした。
少しずつ白い煙はおさまって、テロリストたちと宗一郎さんの姿が見えてきた。
「ダメ……行けません……!」
私が首を横にふると、高浜さんは防火扉を押さえるのをやめて、手を離し……こちらにその大きな体をすべりこませた。
「仕方のない人だな!」
彼は銃をかまえ、私の前に立つ。
「亮司さん!」
防火扉からのぞきこむようにしている女の子。
亮司さんって、高浜さんの名前だっけ?
で、なんで泣きそうなの?さっきまであんなに強かったのに。
「麻耶、俺はこの人の警護をする。必ず帰るから、きみは先に避難しろ!」
ま、麻耶?あの女の子は麻耶っていうの?
なんか、すごく親密そうな雰囲気なんだけど……。
麻耶ちゃんが言い返す暇もなく、防火扉は閉まってしまった。
展望デッキには、テロリストと私と高浜さん、そして宗一郎さんだけが残った。