この恋、国家機密なんですか!?


うわっ、すごい怪力!

っていうか、なんで高浜さんがここに!?


「唯さん、早く……!ここは篠田に任せて!」


そう言う間にも、銃声がした。

少しずつ白い煙はおさまって、テロリストたちと宗一郎さんの姿が見えてきた。


「ダメ……行けません……!」


私が首を横にふると、高浜さんは防火扉を押さえるのをやめて、手を離し……こちらにその大きな体をすべりこませた。


「仕方のない人だな!」


彼は銃をかまえ、私の前に立つ。


「亮司さん!」


防火扉からのぞきこむようにしている女の子。

亮司さんって、高浜さんの名前だっけ?

で、なんで泣きそうなの?さっきまであんなに強かったのに。


「麻耶、俺はこの人の警護をする。必ず帰るから、きみは先に避難しろ!」


ま、麻耶?あの女の子は麻耶っていうの?

なんか、すごく親密そうな雰囲気なんだけど……。


麻耶ちゃんが言い返す暇もなく、防火扉は閉まってしまった。

展望デッキには、テロリストと私と高浜さん、そして宗一郎さんだけが残った。


< 175 / 214 >

この作品をシェア

pagetop