この恋、国家機密なんですか!?


あ、あんなに速く走れたんだ、宗一郎さん。

元陸上部の私より、よっぽど速い。

そんなことに関心している間もなく、そんな宗一郎さんを狙って、他の敵が彼を撃とうと狙いを定める。

その凶弾が放たれるより早く、高浜さんがその手首に発砲し、赤い花を咲かせた。

銃が床に転がる。

そのすきに宗一郎さんは代表につっこみ、転ばせる。

その上に馬乗りになった宗一郎さんに向かい、代表のピストルが火を噴く。

思わず目を背けてしまいそうになったけど、ピストルは狙いが定まっていなかったようで、宗一郎さんの耳の端を傷つけただけだった。

宗一郎さんが、ピストルを持った手で殴りつける。

代表は腕でそれを防御する。

高浜さんは別のテロリストに向かって発砲し、ライフルを落とさせた。

ほっとしたのもつかの間、宗一郎さんの後ろから敵が迫る。


「宗一郎さん、後ろっ!」


思わず叫んでいた。

すると宗一郎さんは振り返り、さっと立ち上がる。

放たれた銃弾を避け、彼はピストルを構えた。

敵の手を狙って、撃つ。


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