この恋、国家機密なんですか!?


真っ黒な瞳が、私を射抜く。

私たちのこれから……。


「私は……前にも言いましたけど、宗一郎さんのそばにいたいです。もう離れろなんて、言わないでください」


心臓が胸の中で暴れまわる。

なのに宗一郎さんは、冷静に言い返してくる。


「俺はお前と共に歩むつもりだと、言ったはずだ。他に要望はないのか?」

「はい。そばにいられれば……他のことはどうでもいいです」

「……そうか。じゃあこれからも、そばにいろ」

「はいっ!」


良かった。

詩織さんのこともあって、私が事件に巻き込まれたこともあって。

もしかしたらまた、別れ話に持ち込まれるんじゃないかと思っていた。

けど、詩織さんの墓前で言ってくれた通り、宗一郎さんも、私とやりなおそうとしてくれている。

その前にも、事件に巻き込まれた私を、全力で守ってくれた。

そして私を想っているから離れるのではなく、一緒にいようと決めてくれたんだ。

私はとてもとても、宗一郎さんに、愛されてる。

たとえ、なんの約束もなくても。

今なら、そう確信できた。



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