この恋、国家機密なんですか!?


今まで、目隠しなんてされたことなかったから、反応に困ってしまう。

どこを見られているかもわからない状態で、ただ彼の息遣いだけを感じる。

熱い指に触れられるたび、びくりと跳ねてしまうけど、なぜか嫌じゃなくて。

結局喜んで彼につながれてしまう私は、やっぱりふしだらだ。


「余計なものは見なくていい。俺だけを感じていろ」


耳元で響いた言葉通り、視界は奪われている。

その代わりに、他のすべてが彼を貪欲に求めた。

私の胸の傷に、宗一郎さんの胸が重なる。

すると、私の鼓動と彼の鼓動も重なった。

どくどくと鳴るそれは、彼がたしかにここに生きていて、私を愛してくれているのだと告げる。


あなたの、髪のにおいがする。

あなたの、指の温度を感じる。

あなたのすべての仕草を、愛しく思う。


「宗一郎さん……」


抱きしめたいのに、手が自由にならない。

ねえ、あなたの変わった愛情表現が終ったら。

今度は私に、あなたをいっぱいいっぱい抱きしめさせてね。


だから今は。

ねえ……もっと、がんじがらめに縛りつけて。

あなたの心で、私の心を。



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