この恋、国家機密なんですか!?
いつものハスキーな声が、少しだけ緊張しているように聞こえた。
結婚。
その単語の意味を理解した途端、夜空からお星様が天井を貫通して私の脳天に直撃するような衝撃が起こる。
ぐわーんぐわーんと、教会の鐘のような音が、耳の奥で鳴った。
「け、け、け……」
まさかいきなりそんなことになるとは思ってもいなかった私は、突然起こったビッグバンに、失神寸前だった。
そんな私の手をとって、彼はベッドの中から何かを取り出して、乗せた。
それは、白い正方形の箱で。
厚みのある、手のひらサイズのそれを、彼は私ににぎらせる。
「開けてみろ」
ま……待って。
これ開けたら、私……。
「……なんだよ、嫌なのか」
「い、嫌じゃないです嫌じゃないです」
すねたような顔の宗一郎さんに見つめられて、私は箱をゆっくりと開ける。
そこに鎮座していたのは……。
「指輪……」
それを見たとたん、嫌な予感は的中した。
彼の至近距離にいるというのに、私の涙腺はあっさり崩壊。
我慢しようと思うのに、涙といっしょに、大きな泣き声が溢れた。
「うわーん!!」