この恋、国家機密なんですか!?
酔いしれるほどの幸せ。
なのに私は宗一郎さんの腕の中で、妙に現実的なことを考えてしまった。
「でも私、宗一郎さんのご家族に気に入ってもらえるかな……」
「は?大丈夫だろ。母とは避難所で仲良くしてたそうじゃないか」
「え?」
宗一郎さんのお母さんと避難所で?
ま、まさか……。
私の頭に浮かぶのは、脱出の時に利用してしまったあの人の好さそうなご婦人。
「一緒に弁当食べたんだろ?添乗員の唯さん」
やっぱりぃぃぃぃぃ!!
そういえば、『夫と息子が警察にいる』って言ってた気が……。