この恋、国家機密なんですか!?


酔いしれるほどの幸せ。

なのに私は宗一郎さんの腕の中で、妙に現実的なことを考えてしまった。


「でも私、宗一郎さんのご家族に気に入ってもらえるかな……」

「は?大丈夫だろ。母とは避難所で仲良くしてたそうじゃないか」

「え?」


宗一郎さんのお母さんと避難所で?

ま、まさか……。

私の頭に浮かぶのは、脱出の時に利用してしまったあの人の好さそうなご婦人。


「一緒に弁当食べたんだろ?添乗員の唯さん」


やっぱりぃぃぃぃぃ!!

そういえば、『夫と息子が警察にいる』って言ってた気が……。



< 210 / 214 >

この作品をシェア

pagetop