この恋、国家機密なんですか!?
「あわわわわ、私、けっこう失礼だった気が……」
「いや、母も姉も、気さくで真面目だってほめてたぞ。そのうち連れていくって言っておいたら、すごく喜んでいた」
マジですか……。
「父は、あの事件のときのお前の働きを表彰したいとまで言ってる」
「表彰!?い、いらないっ、いらないですぅっ!!」
そんなにいっきにぶっこまれたって困るから!
ああそうだ、結婚って本人たちだけの問題じゃないんだ……。
セレブ一族に飛び込む私の結婚生活は、いきなり前途多難そう……。
「……お前今、結婚なんかやめようかなって思っただろ」
「お、思ってない!思ってなーい!」
どれだけしんどくたって、もう篠田家の墓に入るつもりですから!
「……お願い、ずっと一緒にいてね、宗一郎さん」
あなたがいてくれさえすれば、きっと大丈夫だから。
いつの間にか涙が止まっていた私に、宗一郎さんは笑いながらキスをくれた。
「前にも言っただろ。お前を縛っていいのは、俺だけだ」