この恋、国家機密なんですか!?
月明かりだけが差し込む部屋で、私たちは何度も何度もキスをした。
ダイヤモンドが、月光を反射して光る。
『結婚してみようか』なんて、周りの人が聞いたら呆れるかもしれない。
でも、宗一郎さんにはそれが精いっぱいのプロポーズだったのだということを、私は知っている。
意地悪で、高慢で、束縛癖があって。
仕事は公安警察で、いつだって危険と隣り合わせ。
条件がいいとは決して言えないけれど、それでも。
好きになっちゃったもんは、しょうがないのです。
「大丈夫。私が絶対、宗一郎さんを幸せにするから!」
前途多難で、努力と根性が必要。
それは結婚してもしなくても、同じこと。
だけど、確かな言葉をもらっただけで、私の中に新しい勇気が産まれた気がする。
うまくいくかどうかはわからないけど、一度やってみよう。
私、その提案に乗ります。
一度、『結婚』をやってみましょう。
もし私たちにあわないと思ったら、他の形に変えちゃえばいい。
でもね……多分、大丈夫だと思うんだ。
私を縛りたいとおもう人は、きっとこの世であなただけだし。
私が縛られたいと思う人は、絶対にあなただけなんだもの。
薬指に光るのは、この世で最強の拘束具。
これからもずっと、私を縛って!
【END】