この恋、国家機密なんですか!?
誰か、安定した収入のある人と結婚して、落ち着きたい。
それが大好きな人となら、なおさら素敵。
純白のウエディングドレスも、若いうちに着たい。
それが本音。
私に決定的に足りないのは多分……勇気だ。
宗一郎さんに、この不安をすべてぶつけて、結婚する気があるのかないのか、明らかにするのが、私は怖い。
宗一郎さんの秘密をすべて、受け入れられるのかどうか。
それに対して、自分が傷つくことを、きっと、何より恐れているから。
全く前に、進めない。
私が宗一郎さんにとって、ただのソフトSM仲間だとしか思われていなかったらと思うと、ぞっとする。
怖い。
泣いてしまいそう。
ああ……結婚したい。
婚約でもいい。
その先に、何が待っていようとも。
私は、たった一人のひとに選ばれたという、証がほしい。
私は……私が、この世に生きていて、宗一郎さんに選ばれたただ一人の人間であるという、だれかに必要とされているという証がほしいんだ。
私たちは、立場は違うけどみんな同じだ。
孤独の中で、女たちは必死にもがいている。
誰かがこの寒い場所から、連れ出してくれるのを夢見て。