この恋、国家機密なんですか!?
にやり。
そんな音が聞こえそうな笑顔だったのに、私の頬はぽわーっと上気してしまう。
もしかして、宗一郎さんのお部屋に連れて行ってくれるの?
もしかして、そこでプロポーズとか……。
きゃあああああああああ!どうしよう!
叫びたい衝動を抑え、私はひたすらニヤニヤしていた。
初詣ツアーで毎年毎年死にそうなお正月。
来年だけは、素敵な思い出になりそう!
宗一郎さんはニヤニヤする変な顔の私の頭を、もう一度だけ、そっとなでた。
……浮かれすぎて、私はすっかり忘れていた。
ストーカーをつかまえかけたとき、彼を助けるようなタイミングで空砲が鳴ったことを。
事件は何も、終わっていなかった。