この恋、国家機密なんですか!?


結局一緒にお風呂に入らされ、部屋に戻ると、髪を乾かすひまもなく、いきなりベッドに沈められた。

疲れているから今日はやめてほしいと思っていたのに、ひとつキスをしただけで、そんな気持ちは吹き飛んでしまった。

私の鼻と、彼の鼻が一瞬触れる。

たったそれだけでも、私の胸は何も知らない乙女のように早鐘を打つ。

期待を顔に出さないように、私が必死でいることを、彼は知っているのかな?


「今日はこれでいいか」


宗一郎さんはそう言うと、私の肩にかけてあったタオルを取る。

そしてそれで、私の両手を慣れた手つきで縛り上げた。

痛くないように、だけど決して途中でほどけないように、絶妙な加減で。


……そう、宗一郎さんはいつも私を縛る。

どこかしら、なにかしらを使って、縛る。


行動や生活には全く口は出さないけど、私を抱くときは必ず縛る。


歪んでる。

私は宗一郎さんのことをそう思う。

だけど、たまに縛られないと落ち着かなくなってしまった私も、相当歪んでる。

こうしている時だけ、私はあなたに必要とされている気がするの。



疲れていたこともあったのか、私はすぐに意識を飛ばされて、そのまま眠ってしまった。



< 6 / 214 >

この作品をシェア

pagetop