この恋、国家機密なんですか!?


「ところで……どこへ連れて行ってくれるんですか?」

「俺の部屋」

「わお!」


やっぱり!

付き合って3年目にして、やっと彼氏のお宅に訪問できる!

そこで年越しなんて、嬉しい!


「……と言えばお前はよだれを垂らして喜ぶだろうが、残念ながら冗談だ」


な……っ。


横の宗一郎さんは、運転しながらにやりと悪い顔で笑っている。


こ、こ、このドS~!
人を喜ばせておいて~!


「お前は道を覚えるのが得意だから、一度部屋に連れて行ったら終わりだな」


何よそれ。

私が毎晩押しかけるとでも?

……そうしないとは言い切れないけど。


ぶうと膨れて窓の外を見ていると、なんだか見覚えのある道にさしかかった。


「あれ……?」


なんだか、道がすごく混んできたと思ったら……。


これって、もしかしなくても、高速道路の入り口じゃない?

バスに乗って何度も通ったインターを見つめていると、車は関西方面へ。


「あの、もしかして遠出なのっ?」

「ああ、そうだが」

「ウソ!私、こんな楽ちんな服で来ちゃった!」


初めての遠出なら、もっときばったオシャレしたかったのに~!

アクセサリーもほとんどしてないし、髪なんかシュシュでまとめただけで、完全リラックススタイルだよ。


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