この恋、国家機密なんですか!?


京香さんからは、なんの悪意も感じられなくて、ほっとする。

姉弟そろってドSだったらどうしようかと思った……。


「いえ、こちらこそよろしくお願いします!」


……ちょっと的外れな答えをしてしまったような気がする……。

そのあと、なんと続けたらいいかわからなくなった私の代わりに、宗一郎さんが言う。


「姉さん、俺はあなたと遊びに来たわけではないんです。客として来たのですから、ちゃんと接客してください」

「まあ、なんてクールなのかしら。こんなキレイなお嬢さんをどこで見つけたのか、詳しく教えてちょうだいよ」

「イヤですね」


ふんと鼻を鳴らす宗一郎さん。


ええ……そんな態度悪くていいの?


だけど京香さんは、そんな無礼な宗一郎さんに腹を立てることもなく、くすくす笑いながら、お部屋に案内してくれた。

荷物をお持ちしますと言われたけど、畏れ多すぎて、全力で辞退した。


はあ……どっと疲れた……。





< 70 / 214 >

この作品をシェア

pagetop