この恋、国家機密なんですか!?
京香さんからは、なんの悪意も感じられなくて、ほっとする。
姉弟そろってドSだったらどうしようかと思った……。
「いえ、こちらこそよろしくお願いします!」
……ちょっと的外れな答えをしてしまったような気がする……。
そのあと、なんと続けたらいいかわからなくなった私の代わりに、宗一郎さんが言う。
「姉さん、俺はあなたと遊びに来たわけではないんです。客として来たのですから、ちゃんと接客してください」
「まあ、なんてクールなのかしら。こんなキレイなお嬢さんをどこで見つけたのか、詳しく教えてちょうだいよ」
「イヤですね」
ふんと鼻を鳴らす宗一郎さん。
ええ……そんな態度悪くていいの?
だけど京香さんは、そんな無礼な宗一郎さんに腹を立てることもなく、くすくす笑いながら、お部屋に案内してくれた。
荷物をお持ちしますと言われたけど、畏れ多すぎて、全力で辞退した。
はあ……どっと疲れた……。