この恋、国家機密なんですか!?
「それにしても……すっごいですね……」
私はいつもより高い天井を見上げる。
ほんのりと木のにおいがするお部屋は、今まで仕事でもプライベートでも来たことのないくらい高級感あふれる部屋だった。
和室だから畳なのだけど、そのへりは少しもいたんでなくて、むき出しの柱は安いニスで塗った感じがいっさいしない。
滝が描かれた水墨画の掛け軸の下には、黒っぽいけれどよく見ると細かい絵がびっしりの壺。
窓辺に切り取られた外界の景色は、夜だからよく見えないけれど……たぶん、日本海を臨んでいるんじゃないかと思われる。
その証拠に、うっすらと潮の香りがした。
「こっちはなんだろう?」
奥の部屋から続く扉を開けて、驚く。
そこには、憧れの貸切露天風呂が……。
みんな憧れるよね?貸切だよ?貸切露天だよ!?
しかも……。
「雪見露天だ~!」
ちょうど雪がつもっていたため、お風呂からみえる日本庭園の雪化粧が、控えめなライトに照らされて、キラキラと輝いていた。
おお~、こりゃ7万するはずだわ……。
とお風呂をうっとり見つめている間に、夕食の準備がすすめられていた。