この恋、国家機密なんですか!?


「一日って、はやいですねえ……」


結局旅館に戻った私たちは、京香さんが差し入れてくれたみかんやおもちを食べながら、お部屋でのんびりしていた。

窓からは日本海も見えるし、お風呂からは庭園も見えるし、ここで十分だわ……。

さらにはお酒まで飲んで、昼からお風呂で温まって、十分っていうか、極楽じゃん!

……なんて思っていたら、すぐに夕暮れになってしまったのだった。


「来年の正月は、初詣なんかしないで、のんびりするぞ……」


宗一郎さんはそう心に決めたみたい。


「ハワイなら、もっとのんびりかもしれませんね。暖かいし」


さりげなく、来年の旅行の予定を提案してみる。

ハネムーンを兼ねて、なんていかがでしょうか。


「ハワイなあ……あそこまで行くと、何かあったときにすぐ戻れないからな……」

「……」


で、す、よ、ね~。

あーもう!
世界平和を祈るべきだった。

この世界から悪い人がいなくなれば、宗一郎さんは暇になるのに。

……暇って言うか、失業……?

そ、それはさすがに困るけど。



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