この恋、国家機密なんですか!?
「お前なら、きっとすぐに違う男が現れるさ。夫や父親といったものに向いた、普通の男が」
そんな慰め、いらない。
「今まで縛りつけてしまって、悪かった」
謝ってなんかほしくない。
もっともっと、縛りつけてくれたらいいのに。
気持ちは言葉にならなくて。
代わりに涙になって、あとからあとから、溢れた。
体を離した宗一郎さんは、その親指で私の涙をぬぐう。
そしてひとつ小さなキスをした。
離れていく、涙でぼやけた彼の顔は、微笑んでいるように見えた。
とてもとても、寂しそうに。
「唯……今、お前を解放してやるよ」
それはあまりにも呆気ない……突然の、さようならだった。