Elma -ヴェルフェリア英雄列伝 Ⅰ-
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「ねえエルマ、本当に行くの」
エルマが自室で着替えていると、メオラが背中に問いかけた。
「もちろん」
と、エルマは迷わず答える。
そして振り返ると、「これ、よろしく」と言って、メオラに脱いだドレスを手渡した。
メオラは不満そうな顔をしながら、それでもドレスを受け取る。
「……エルマはやっぱり、そっちの方が似合うね」
「うん、わたしもそう思う」
エルマが今着ているのは、王族の纏うドレスではない。
王城に来る前、アルにいたときに着ていた服だ。
男の着るようなズボンを短く切って、すらりとした細い腿を晒し、使い込んだ皮のブーツを履いている。
腰まである長いマントを羽織り、その背には矢筒と弓を背負い、髪は耳の下で二つに束ねた。
最後に短剣を腰のベルトに差して、よし、と小さく呟いたとき。
コンコン、と扉を叩く音がして、「着替えは済んだか?」と、ラシェルの声が尋ねた。
「ねえエルマ、本当に行くの」
エルマが自室で着替えていると、メオラが背中に問いかけた。
「もちろん」
と、エルマは迷わず答える。
そして振り返ると、「これ、よろしく」と言って、メオラに脱いだドレスを手渡した。
メオラは不満そうな顔をしながら、それでもドレスを受け取る。
「……エルマはやっぱり、そっちの方が似合うね」
「うん、わたしもそう思う」
エルマが今着ているのは、王族の纏うドレスではない。
王城に来る前、アルにいたときに着ていた服だ。
男の着るようなズボンを短く切って、すらりとした細い腿を晒し、使い込んだ皮のブーツを履いている。
腰まである長いマントを羽織り、その背には矢筒と弓を背負い、髪は耳の下で二つに束ねた。
最後に短剣を腰のベルトに差して、よし、と小さく呟いたとき。
コンコン、と扉を叩く音がして、「着替えは済んだか?」と、ラシェルの声が尋ねた。