Elma -ヴェルフェリア英雄列伝 Ⅰ-
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「そう、そんなことがあったの」
メオラは言って、皿の上の菓子をつまみ上げると口の中に放り込んだ。
晴れた晩夏の昼下がり。
エルマの提案で、エルマ、メオラと、そしてラグの三人は、「王城にいる間の最後の贅沢」と称してお茶会を開いていた。
エルマが毒に倒れたあの日の仕切り直しだ。
カルも誘ったが、用事があるから途中から参加するとのことで先に始めていたのだ。
焼き菓子とお茶をおともに、エルマはルイーネに赴いたときの一部始終を話していた。
「うん、上手くいってよかった」
「本当よ。わざわざエルマがそんな危ないことしなくてよかったのに。心配したんだからね」
ルイーネの民が「偽ルドリア」にどれほどの怒りを持っていたかわからなかったから、演説の最中に何が起きてもおかしくはなかった。
いや、そもそもディネロがエルマをどう扱うかもわからなかったのだ。
「本当に、今思えばものすごく危険な賭けだったね」
と、ラグが言う。
「そう、そんなことがあったの」
メオラは言って、皿の上の菓子をつまみ上げると口の中に放り込んだ。
晴れた晩夏の昼下がり。
エルマの提案で、エルマ、メオラと、そしてラグの三人は、「王城にいる間の最後の贅沢」と称してお茶会を開いていた。
エルマが毒に倒れたあの日の仕切り直しだ。
カルも誘ったが、用事があるから途中から参加するとのことで先に始めていたのだ。
焼き菓子とお茶をおともに、エルマはルイーネに赴いたときの一部始終を話していた。
「うん、上手くいってよかった」
「本当よ。わざわざエルマがそんな危ないことしなくてよかったのに。心配したんだからね」
ルイーネの民が「偽ルドリア」にどれほどの怒りを持っていたかわからなかったから、演説の最中に何が起きてもおかしくはなかった。
いや、そもそもディネロがエルマをどう扱うかもわからなかったのだ。
「本当に、今思えばものすごく危険な賭けだったね」
と、ラグが言う。