Elma -ヴェルフェリア英雄列伝 Ⅰ-
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天幕から出たリヒターは、すぐ近くにいたカルを呼びとめて、野営地の案内を頼んだ。
だが、カルは頷きも歩きだしもしない。
その思いつめたような表情に気づいたリヒターは、カルに歩み寄ったが、カルはそれを拒むように一歩下がると、リヒターの目も見ずに訊いた。
「話は済んだのか?」
リヒターは足を止めた。
「済んだよ」
「エルマは、いつ発つ?」
「たぶん、明日だろうね。すぐにでも王城に来てもらいたいし」
「……メオラは、エルマとあんたらのゴタゴタに、関係あるのか?それとも、ただ巻き込まれただけなのか?あのときエルマと一緒に行って、話を聞いてしまったから、とか、そういう理由で……」
リヒターは目をぱちくりさせた。カルがそんなことを訊く意図がわからなかった。
天幕から出たリヒターは、すぐ近くにいたカルを呼びとめて、野営地の案内を頼んだ。
だが、カルは頷きも歩きだしもしない。
その思いつめたような表情に気づいたリヒターは、カルに歩み寄ったが、カルはそれを拒むように一歩下がると、リヒターの目も見ずに訊いた。
「話は済んだのか?」
リヒターは足を止めた。
「済んだよ」
「エルマは、いつ発つ?」
「たぶん、明日だろうね。すぐにでも王城に来てもらいたいし」
「……メオラは、エルマとあんたらのゴタゴタに、関係あるのか?それとも、ただ巻き込まれただけなのか?あのときエルマと一緒に行って、話を聞いてしまったから、とか、そういう理由で……」
リヒターは目をぱちくりさせた。カルがそんなことを訊く意図がわからなかった。