ラスト・ジョーカー
2
*第二章 世界の形 2*
カンパニュラと別れた後、ゼンとエルは森の中を歩き通し、日が沈む頃に適当なところで野営をすることになった。
ゼンが一人分のマントを荷から出して羽織り、ランプの火を消して眠る準備を整え始めたころ、
日中は黙ってゼンについて歩いたエルは、ありったけの不満を顔に浮かべて言った。
「ゼン、せっかく助けてくれたのに、カンパニュラにあんな態度はよくないと思うわ」
「もう会うこともないような奴を気にしてどうする」
ゼンの返事はにべもない。
「そんなのわからないじゃない」
「じゃあ、あの場でなにができた。おれは急いでいたし、それに、礼になにか渡せるほど余裕があるわけでもない。
……あんな規格外のサイコキネシスを持った得体の知れない女に、あれ以上関わりたくなかったしな」
最後の一言はともかく、それもそうだ。
エルは押し黙った。
顔にはまだ不満を浮かべたままだ。
理解はできたが、感情がついていかなかった。
そのときふと、今なら質問ができるのではないかと思い、エルは「ゼン」と呼びかけた。
「なんだよ」
エルのほうを見たゼンは、いかにも鬱陶しそうだった。
まだ文句があるのか、と言いたげなのがありありとわかる。
「えっとね、サイコキネシスとかPKって、なに?」
カンパニュラと別れた後、ゼンとエルは森の中を歩き通し、日が沈む頃に適当なところで野営をすることになった。
ゼンが一人分のマントを荷から出して羽織り、ランプの火を消して眠る準備を整え始めたころ、
日中は黙ってゼンについて歩いたエルは、ありったけの不満を顔に浮かべて言った。
「ゼン、せっかく助けてくれたのに、カンパニュラにあんな態度はよくないと思うわ」
「もう会うこともないような奴を気にしてどうする」
ゼンの返事はにべもない。
「そんなのわからないじゃない」
「じゃあ、あの場でなにができた。おれは急いでいたし、それに、礼になにか渡せるほど余裕があるわけでもない。
……あんな規格外のサイコキネシスを持った得体の知れない女に、あれ以上関わりたくなかったしな」
最後の一言はともかく、それもそうだ。
エルは押し黙った。
顔にはまだ不満を浮かべたままだ。
理解はできたが、感情がついていかなかった。
そのときふと、今なら質問ができるのではないかと思い、エルは「ゼン」と呼びかけた。
「なんだよ」
エルのほうを見たゼンは、いかにも鬱陶しそうだった。
まだ文句があるのか、と言いたげなのがありありとわかる。
「えっとね、サイコキネシスとかPKって、なに?」