愛を知る小鳥
10 おちていく
同居がスタートして初めて迎える週末、ようやく美羽の荷物が届けられた。
部屋にはシングルベッドと小さめのチェスト、テーブルが置かれ、家電製品などは処分して構わないと言われたが、ひとまずトランクルームに預けて様子を見ることにした。もともと必要最低限の荷物しか置いていなかったため、多少の家具が増えた程度で相変わらず物の少ない部屋であることに変わりはなかった。
今日からこの部屋で寝るんだ…
ようやく一人で考える時間ができることに、美羽は内心ホッとしていた。
潤は仕事のため出社している。どのタイミングでその話をしようか、一日妙な緊張感に一人包まれていた。
「あの…今日無事に荷物が届きました」
夜になって潤が帰宅し、美羽が準備した食事を一緒にとりながら報告をする。
「あぁ、そうだったな」
「それで…今日からは自分の部屋で寝ようと思っています」
「……」
その言葉を聞いた潤は、動かしていた箸を止めて美羽をじっと見つめる。何も悪いことはしていないのに、なんだか怒られている子どものような気分になってしまってどうにも気まずい。
「…大丈夫なのか?」
「え?」
「本当に一人で問題ないのか?」
「だ、大丈夫です! だって、もともと一人暮らししてたわけですし、何も問題ないですよ! 今までありがとうございました」
笑顔で答えるが彼の表情は変わらない。
「…ならいいが。とにかく無理はするな」
「はい…」
結局その日の食事は互いにぎこちなさが残るまま終わってしまった。
部屋にはシングルベッドと小さめのチェスト、テーブルが置かれ、家電製品などは処分して構わないと言われたが、ひとまずトランクルームに預けて様子を見ることにした。もともと必要最低限の荷物しか置いていなかったため、多少の家具が増えた程度で相変わらず物の少ない部屋であることに変わりはなかった。
今日からこの部屋で寝るんだ…
ようやく一人で考える時間ができることに、美羽は内心ホッとしていた。
潤は仕事のため出社している。どのタイミングでその話をしようか、一日妙な緊張感に一人包まれていた。
「あの…今日無事に荷物が届きました」
夜になって潤が帰宅し、美羽が準備した食事を一緒にとりながら報告をする。
「あぁ、そうだったな」
「それで…今日からは自分の部屋で寝ようと思っています」
「……」
その言葉を聞いた潤は、動かしていた箸を止めて美羽をじっと見つめる。何も悪いことはしていないのに、なんだか怒られている子どものような気分になってしまってどうにも気まずい。
「…大丈夫なのか?」
「え?」
「本当に一人で問題ないのか?」
「だ、大丈夫です! だって、もともと一人暮らししてたわけですし、何も問題ないですよ! 今までありがとうございました」
笑顔で答えるが彼の表情は変わらない。
「…ならいいが。とにかく無理はするな」
「はい…」
結局その日の食事は互いにぎこちなさが残るまま終わってしまった。