愛を知る小鳥
12 過去
部屋の中に、言葉では言い表せない緊張感が走っていた。
「美羽、お前…」
戸惑いを見せる潤を見て美羽は一瞬目を伏せる。
「本音を言えば…すごく怖いんです。もし私の過去を知って…潤さんに軽蔑されたら、嫌われたらどうしようって。でも…んっ!」
言いかけた言葉は潤の唇によって塞がれてしまった。優しく、何度も何度も食むようなキスで。触れたところからじんわりと温かさが広がる。
「俺が何だって? お前を軽蔑する? 嫌いになる? 冗談じゃない。俺の気持ちを見くびるなよ。その程度で変わるような気持ちなら初めからお前を好きになってなんかいない」
頬に添えられた両手から熱が伝わる。潤の目は真剣そのものだった。その貫くような眼差しに美羽は目眩を起こしそうなほど心が揺さぶられる。目線を逸らさずゆっくりと潤の手に自分の手を重ねた。
「ごめんなさい…潤さんの気持ちを信じていないわけじゃないんです。でも、どうしても…過去のことを考えると…」
「美羽!」
過去という言葉を出す度に不安げな表情になる美羽だったが、一度深呼吸をすると次に目を開いた時には強い意志が漲っていた。
「でも、潤さんと一緒にいて思ったんです。潤さんは過去も含めてありのままの自分を見せてくれているのに、私はどうなんだろうって。私は潤さんのことが好きです。…でも、まだ本当の私を何も知ってもらっていない。どんな過去でもそれをなかったことにすることはできない。だから…潤さんには私の全てを知って欲しい。その上で潤さんがどんな答えを出そうと、私は全てを受け入れます」
「愚問だな」
「…え?」
緊張感が漂う中、呆れたように潤が笑う。
「俺がどんな答えをだすかなんて決まってるだろ?俺はお前を離さないしお前を愛し続ける」
「潤さん…」
俯いて零れそうになる涙をグッと堪える。小さく深呼吸をして心を落ち着かせると、あらためて潤を見据えて美羽は話し始めた。
「美羽、お前…」
戸惑いを見せる潤を見て美羽は一瞬目を伏せる。
「本音を言えば…すごく怖いんです。もし私の過去を知って…潤さんに軽蔑されたら、嫌われたらどうしようって。でも…んっ!」
言いかけた言葉は潤の唇によって塞がれてしまった。優しく、何度も何度も食むようなキスで。触れたところからじんわりと温かさが広がる。
「俺が何だって? お前を軽蔑する? 嫌いになる? 冗談じゃない。俺の気持ちを見くびるなよ。その程度で変わるような気持ちなら初めからお前を好きになってなんかいない」
頬に添えられた両手から熱が伝わる。潤の目は真剣そのものだった。その貫くような眼差しに美羽は目眩を起こしそうなほど心が揺さぶられる。目線を逸らさずゆっくりと潤の手に自分の手を重ねた。
「ごめんなさい…潤さんの気持ちを信じていないわけじゃないんです。でも、どうしても…過去のことを考えると…」
「美羽!」
過去という言葉を出す度に不安げな表情になる美羽だったが、一度深呼吸をすると次に目を開いた時には強い意志が漲っていた。
「でも、潤さんと一緒にいて思ったんです。潤さんは過去も含めてありのままの自分を見せてくれているのに、私はどうなんだろうって。私は潤さんのことが好きです。…でも、まだ本当の私を何も知ってもらっていない。どんな過去でもそれをなかったことにすることはできない。だから…潤さんには私の全てを知って欲しい。その上で潤さんがどんな答えを出そうと、私は全てを受け入れます」
「愚問だな」
「…え?」
緊張感が漂う中、呆れたように潤が笑う。
「俺がどんな答えをだすかなんて決まってるだろ?俺はお前を離さないしお前を愛し続ける」
「潤さん…」
俯いて零れそうになる涙をグッと堪える。小さく深呼吸をして心を落ち着かせると、あらためて潤を見据えて美羽は話し始めた。