愛を知る小鳥
13 あなたのぬくもりを
…トクントクン…
なんだかとても気持ちがいい
ふわふわふわふわ空を飛んでいるような
さっきから聞こえてくるこの音はなんだろう
全身に染み渡っていくように安らかな気持ちに包まれていく
離さないで、離れたくない
ずっと、このまま…
「…ん…」
ぼんやりと重い瞼を上げる。昨夜は泣きすぎてひどいことになっているに違いない。少しだけ首を動かして見上げた先に、綺麗な男性の寝顔があった。すぅすぅと規則的な寝息を立てている彼は、何度見ても見慣れないほどに美しい顔をしている。夕べはいつの間にかあのまま眠ってしまっていたようだ。背中に回されていた手は今も変わることなくガッチリと後ろで組まれたまま。
「潤さん…」
ゆっくり手を伸ばすと、ほんの少しだけ目にかかっている髪を横に流す。そしてそのままそっと頬に触れた。
「あったかい…」
しばらくそうやってぬくもりを味わうと、その手を唇へと移動した。男性なのにこんなに柔らかいのかと驚くと同時に、それはまるで彼の心のようだと思った。何度か指でなぞると、ほんの少しだけ震えながら顔を寄せ、その唇にゆっくりと自分の唇を重ねた。ほんのり触れ合うだけの、まるで小さな子どもがやるようなただそれだけのことが、この上なく胸を締めつけ震わせる。
「大好きです…」
ポロリと一粒零れた涙と共に囁いた。
「俺もだよ」
「……えっ?!」
突然降ってきた声に目を見開く。見るとさっきまで気持ちよく眠っていたはずの男が満面の笑みで見下ろしている。
「でもどうせなら起きてるときに言ってほしいな」
「…なっ、おっ、起きて…?!」
「目を閉じて美羽の感触を味わってたらキスされて、大好きって言われて。俺はまだ夢の中にいるのかと思ったよ」
あまりの恥ずかしさに顔を真っ赤にして口をパクパクさせることしかできない。
「~~~~っ、もう、潤さんっ!!!」
「はははっ!」
それは昨日までの空気が嘘のように、清く澄み渡った朝だった。
なんだかとても気持ちがいい
ふわふわふわふわ空を飛んでいるような
さっきから聞こえてくるこの音はなんだろう
全身に染み渡っていくように安らかな気持ちに包まれていく
離さないで、離れたくない
ずっと、このまま…
「…ん…」
ぼんやりと重い瞼を上げる。昨夜は泣きすぎてひどいことになっているに違いない。少しだけ首を動かして見上げた先に、綺麗な男性の寝顔があった。すぅすぅと規則的な寝息を立てている彼は、何度見ても見慣れないほどに美しい顔をしている。夕べはいつの間にかあのまま眠ってしまっていたようだ。背中に回されていた手は今も変わることなくガッチリと後ろで組まれたまま。
「潤さん…」
ゆっくり手を伸ばすと、ほんの少しだけ目にかかっている髪を横に流す。そしてそのままそっと頬に触れた。
「あったかい…」
しばらくそうやってぬくもりを味わうと、その手を唇へと移動した。男性なのにこんなに柔らかいのかと驚くと同時に、それはまるで彼の心のようだと思った。何度か指でなぞると、ほんの少しだけ震えながら顔を寄せ、その唇にゆっくりと自分の唇を重ねた。ほんのり触れ合うだけの、まるで小さな子どもがやるようなただそれだけのことが、この上なく胸を締めつけ震わせる。
「大好きです…」
ポロリと一粒零れた涙と共に囁いた。
「俺もだよ」
「……えっ?!」
突然降ってきた声に目を見開く。見るとさっきまで気持ちよく眠っていたはずの男が満面の笑みで見下ろしている。
「でもどうせなら起きてるときに言ってほしいな」
「…なっ、おっ、起きて…?!」
「目を閉じて美羽の感触を味わってたらキスされて、大好きって言われて。俺はまだ夢の中にいるのかと思ったよ」
あまりの恥ずかしさに顔を真っ赤にして口をパクパクさせることしかできない。
「~~~~っ、もう、潤さんっ!!!」
「はははっ!」
それは昨日までの空気が嘘のように、清く澄み渡った朝だった。