愛を知る小鳥
「つ、強気でいられるのも今のうちだぞ。俺が…」

「お前の言動の一部始終は全て記録されている」

「…何?」

「お前が彼女に何をし、何を発したか全て記録されてるんだよ。彼女のバッグの中には俺が仕込んでおいたレコーダーが入っている。じきに警察も来る。お前はもう終わりだ」

その言葉に園田の顔色が豹変する。全くの計算外だったのか、ギリギリと潤の顔を睨み上げるが、彼は変わらず凍り付くような顔で見下ろしている。

「てめぇ…!」

「それで? 言いたいことはそれだけか? 貴様のやったことは絶対に許されることじゃない。たとえ地獄の果てだろうと俺はお前を裁いてやる。絶対に許さない。覚悟しておくんだな」

怒りに震える園田に吐き捨てるように言うと、潤はその場を後にして美羽の待つ場所へと向かった。


「じゅんさ…」

「美羽…」


愛する人が待っている。
ようやく、ようやく彼女を解放させてやることができる。
潤は微笑みながら美羽へと手を伸ばした。
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