愛を知る小鳥
職場に報告したときはあかね以外にはひどく驚かれた。特に成田にとっては全く寝耳に水だったようで、絶叫して驚いていた。百井は結局美羽が仕事をやめずに続けている上、ついには潤と結婚までされてしまいこの上なく面白くなさそうだった。
そんな中でも佐倉だけは「あら、やっぱりそうだったの? 専務もようやく落ち着いてくれるんですね。良かったわ」なんてサラッと言ってのけた。
さすがは大ベテラン、色々と洞察力が鋭いようで何でもお見通しだったようだ。
「専務、式は挙げられないんですか?」
成田がふとそんなことを尋ねた。
「あぁ。今は色々忙しいからな。落ち着いたら何らかの形では考えてるんだが」
例の一件で仕事を休んで以来、ずれ込んだ業務の影響でまた忙しい日々が続いていた。とてもじゃないが式だのなんだの考えているほどの余裕はなく、だからこそ潤は入籍だけでも早くとこだわっていた。
「あっ、見えてきましたよ、潤さん」
「あぁ」
「わぁ~、懐かしい! やっぱり素敵な所にありますよねぇ」
車窓から見えてきた景色にうっとりする美羽がまるで子どものようで思わず吹き出す。
「え? 何かおかしいこと言いましたか?」
「いや、ただかわいいって思っただけだよ」
「かっ…?!」
ボッと一瞬で茹でダコになるのは相変わらずのこと。からかわれているとわかっていても、この甘い言葉に慣れるのはなかなか難しい。
結婚してからというもの、潤の溺愛度は増すばかりだ。
そんな中でも佐倉だけは「あら、やっぱりそうだったの? 専務もようやく落ち着いてくれるんですね。良かったわ」なんてサラッと言ってのけた。
さすがは大ベテラン、色々と洞察力が鋭いようで何でもお見通しだったようだ。
「専務、式は挙げられないんですか?」
成田がふとそんなことを尋ねた。
「あぁ。今は色々忙しいからな。落ち着いたら何らかの形では考えてるんだが」
例の一件で仕事を休んで以来、ずれ込んだ業務の影響でまた忙しい日々が続いていた。とてもじゃないが式だのなんだの考えているほどの余裕はなく、だからこそ潤は入籍だけでも早くとこだわっていた。
「あっ、見えてきましたよ、潤さん」
「あぁ」
「わぁ~、懐かしい! やっぱり素敵な所にありますよねぇ」
車窓から見えてきた景色にうっとりする美羽がまるで子どものようで思わず吹き出す。
「え? 何かおかしいこと言いましたか?」
「いや、ただかわいいって思っただけだよ」
「かっ…?!」
ボッと一瞬で茹でダコになるのは相変わらずのこと。からかわれているとわかっていても、この甘い言葉に慣れるのはなかなか難しい。
結婚してからというもの、潤の溺愛度は増すばかりだ。