愛を知る小鳥
RRRRRR…
「はい。秘書課香月です」
入籍はしたが、仕事では旧姓を使っている。こうして会話をするときに、どちらも藤枝で通すと相手が混乱する可能性があるからだ。
『あ、受付の森山です。今専務にアポなしでお会いしたいと言う女性が来られてるんですが…』
女性という言葉に美羽はドキッとする。あの事件以来トラブルなどは一切起きていないが、もしかしたら過去の女性絡みだろうか…?
ザワザワする気持ちを抑えて冷静に話す。
「お名前は何とおっしゃられてますか?」
『それが…藤枝さんだとおっしゃるんです』
「え?」
藤枝? どういうこと?
単なる同姓なのかそれとも…
そこまで考えてハッとする。
「おいくつくらいの方ですか?」
『えと…見た感じまだ二十歳前後じゃないかと思います。若い方です』
美羽の中で浮き上がってきた一つの可能性が限りなく確信へと変わっていく。
「分かりました。まずは私が直接話を伺います。ロビーで待つようにお伝え下さい」
受付にそう伝えると、美羽は足早に専務室へと向かった。
「はい。秘書課香月です」
入籍はしたが、仕事では旧姓を使っている。こうして会話をするときに、どちらも藤枝で通すと相手が混乱する可能性があるからだ。
『あ、受付の森山です。今専務にアポなしでお会いしたいと言う女性が来られてるんですが…』
女性という言葉に美羽はドキッとする。あの事件以来トラブルなどは一切起きていないが、もしかしたら過去の女性絡みだろうか…?
ザワザワする気持ちを抑えて冷静に話す。
「お名前は何とおっしゃられてますか?」
『それが…藤枝さんだとおっしゃるんです』
「え?」
藤枝? どういうこと?
単なる同姓なのかそれとも…
そこまで考えてハッとする。
「おいくつくらいの方ですか?」
『えと…見た感じまだ二十歳前後じゃないかと思います。若い方です』
美羽の中で浮き上がってきた一つの可能性が限りなく確信へと変わっていく。
「分かりました。まずは私が直接話を伺います。ロビーで待つようにお伝え下さい」
受付にそう伝えると、美羽は足早に専務室へと向かった。