愛を知る小鳥
「美羽」
片付けを済ませ、お風呂を済ませ、一日の全てを終えて寝室にやって来ると、こうして潤が手を広げて美羽の名前を呼ぶ。そして何の躊躇いもなく美羽がその胸の中へと体を委ねる。
二人にとっての日常の風景の一つだ。
あったかい…
美羽は潤の胸元へと顔をうずめて大きく息を吸い込んだ。こうしているだけで一日の疲れが癒やされていく。潤もまた何も言わずに優しく美羽を包み込んでいる。何も言葉を交わさなくても、それだけで幸せを実感できるかけがえのない時間だ。
「潤さん…」
「ん?」
彼はあれから何も言わない。何も聞かない。
何かあったことなんてお見通しなのに、気になっているに違いないのに、無理に聞き出そうなんてしない。それは自分を信じてくれているから。必要になれば必ず自分から話してくれるはずだって信じて疑わないから。
美羽は顔を上げて潤を見つめた。
「潤さんは、このまま一生ご家族に会うつもりはないんですか?」
「え…?」
予想だにしなかった話だったのだろう。かなり驚いている。
「美羽? 突然どうしたんだ?」
「どう思ってるんですか…?」
美羽の真剣な眼差しに、潤も真剣な顔になる。
そしてしばらく何かを考えると、ゆっくり口を開いた。
「どうなんだろうな。正直俺にもよくわからないんだ」
「え?」
片付けを済ませ、お風呂を済ませ、一日の全てを終えて寝室にやって来ると、こうして潤が手を広げて美羽の名前を呼ぶ。そして何の躊躇いもなく美羽がその胸の中へと体を委ねる。
二人にとっての日常の風景の一つだ。
あったかい…
美羽は潤の胸元へと顔をうずめて大きく息を吸い込んだ。こうしているだけで一日の疲れが癒やされていく。潤もまた何も言わずに優しく美羽を包み込んでいる。何も言葉を交わさなくても、それだけで幸せを実感できるかけがえのない時間だ。
「潤さん…」
「ん?」
彼はあれから何も言わない。何も聞かない。
何かあったことなんてお見通しなのに、気になっているに違いないのに、無理に聞き出そうなんてしない。それは自分を信じてくれているから。必要になれば必ず自分から話してくれるはずだって信じて疑わないから。
美羽は顔を上げて潤を見つめた。
「潤さんは、このまま一生ご家族に会うつもりはないんですか?」
「え…?」
予想だにしなかった話だったのだろう。かなり驚いている。
「美羽? 突然どうしたんだ?」
「どう思ってるんですか…?」
美羽の真剣な眼差しに、潤も真剣な顔になる。
そしてしばらく何かを考えると、ゆっくり口を開いた。
「どうなんだろうな。正直俺にもよくわからないんだ」
「え?」