愛を知る小鳥
新たな未来を
カサカサと布が擦れる音がする。
ゆっくりと瞼を上げると、ベッドの淵に腰掛けて濡れた髪の毛を拭いている潤の後ろ姿が見えた。上半身には何も身につけていない。目線を下げていくと、腰と背中の中間辺りに残る生々しい傷跡がある。
美羽は手を伸ばすと、その傷跡にそっと触れた。
「起きたのか?」
振り返った潤がふわりと笑う。
「はい。おはようございます」
「あぁ、おはよう。もう飯の準備はできてるから」
「…え、今何時ですか?」
「もうすぐ9時だな」
「く、9時っ?! ごめんなさいっ、寝坊しちゃいました!」
慌てて飛び起きた美羽を大きな手が押し留める。
「いいよ。今日は日曜だろ? 好きなだけゆっくりしてればいい。俺も夕べはかなり無理させたし…な?」
瞬間的にカッと頬が染まった。
昨日は潤の父親との再会を果たした。帰ってきてから彼はなだれ込むように美羽を抱いた。息つく暇もないほど激しく、何度も、何度も。
…でもとびっきりに優しく。
思い出すだけでも体の芯から燃え上がりそうなほど熱くなる。
「朝からいい眺めだな」
「…え? っ、きゃあっ!!」
飛び起きたせいで自分が今どんな格好をしているのか失念してしまっていた。今さらなのは表も承知だが、慌ててシーツを体に巻き付ける。
「残念、いい眺めだったのに」
「もうっ! 潤さんっ、セクハラですよ!!」
「ははは、夫婦なんだからセクハラじゃないだろ」
そう言うと美羽の体ごと再びベッドに倒れ込んだ。驚いて見上げる美羽の髪を掻き上げると、顔中にキスを落としていく。やがて唇に辿り着くと、触れる前にそっと囁いた。
「…ありがとう」
「潤さん…」
どこか照れくさそうに笑う潤に、美羽はとびっきりの笑顔をかえした。
やがて唇が触れると、二人は再び甘い時間に溺れていった。
ゆっくりと瞼を上げると、ベッドの淵に腰掛けて濡れた髪の毛を拭いている潤の後ろ姿が見えた。上半身には何も身につけていない。目線を下げていくと、腰と背中の中間辺りに残る生々しい傷跡がある。
美羽は手を伸ばすと、その傷跡にそっと触れた。
「起きたのか?」
振り返った潤がふわりと笑う。
「はい。おはようございます」
「あぁ、おはよう。もう飯の準備はできてるから」
「…え、今何時ですか?」
「もうすぐ9時だな」
「く、9時っ?! ごめんなさいっ、寝坊しちゃいました!」
慌てて飛び起きた美羽を大きな手が押し留める。
「いいよ。今日は日曜だろ? 好きなだけゆっくりしてればいい。俺も夕べはかなり無理させたし…な?」
瞬間的にカッと頬が染まった。
昨日は潤の父親との再会を果たした。帰ってきてから彼はなだれ込むように美羽を抱いた。息つく暇もないほど激しく、何度も、何度も。
…でもとびっきりに優しく。
思い出すだけでも体の芯から燃え上がりそうなほど熱くなる。
「朝からいい眺めだな」
「…え? っ、きゃあっ!!」
飛び起きたせいで自分が今どんな格好をしているのか失念してしまっていた。今さらなのは表も承知だが、慌ててシーツを体に巻き付ける。
「残念、いい眺めだったのに」
「もうっ! 潤さんっ、セクハラですよ!!」
「ははは、夫婦なんだからセクハラじゃないだろ」
そう言うと美羽の体ごと再びベッドに倒れ込んだ。驚いて見上げる美羽の髪を掻き上げると、顔中にキスを落としていく。やがて唇に辿り着くと、触れる前にそっと囁いた。
「…ありがとう」
「潤さん…」
どこか照れくさそうに笑う潤に、美羽はとびっきりの笑顔をかえした。
やがて唇が触れると、二人は再び甘い時間に溺れていった。