愛を知る小鳥
「美羽ちゃん、あと3日になったけど気分はどう?」
その日全ての業務を終えた美羽は、まだ来客と談笑中の潤を待っていた。
「あかねさん、まだ残ってらしたんですか?」
「ちょっと昼間終わらなかった野暮用があってね。美羽ちゃんは?」
「あ、専務がまだお客様と一緒にいらっしゃるので…私も細かい仕事をして待ってました」
そっかそっかと言いながらあかねは美羽の隣の席に座る。
「で、どうなの? いよいよになったけど」
「そうですね、やっぱり緊張します…」
「あはは、美羽ちゃんらしいわね。でももうとっくに籍は入れてるんだもんね。案外専務の方が待ち遠しかったんじゃないかしら?」
「それは、そんなことは…ない、と思いますけど…」
美羽は照れながら曖昧に答える。
多分…いや絶対、潤も相当楽しみにしているのは確かだ。
この前パーティ用のドレスを選びに行ったとき、かなり嬉しそうにしていたのが思い出される。この姿を他の奴らに見せるのがもったいないとも言っていた。
彼は変わった。
美羽を好きだと自覚してからも変わったが、結婚してからはさらに変わった。時に大人に、時に子どものように。実に様々な顔を見せてくれるようになった。
だがそれは美羽も同じこと。互いに長年眠りについていた嘘偽りのない本来の自分が出せるようになったというだけであって、それを実感できることがお互いにとってこの上なく幸せなことだった。
「ま~た自分の世界に入ってる!」
「あっ…ごめんなさい!!」
潤とのことを考えるとつい自分の世界に没頭してしまう。
そしてそれをあかねにからかわれるのが日常茶飯事になっていた。
「な~んて、…実は私もちょっとのろけていい?」
「えっ?」
その日全ての業務を終えた美羽は、まだ来客と談笑中の潤を待っていた。
「あかねさん、まだ残ってらしたんですか?」
「ちょっと昼間終わらなかった野暮用があってね。美羽ちゃんは?」
「あ、専務がまだお客様と一緒にいらっしゃるので…私も細かい仕事をして待ってました」
そっかそっかと言いながらあかねは美羽の隣の席に座る。
「で、どうなの? いよいよになったけど」
「そうですね、やっぱり緊張します…」
「あはは、美羽ちゃんらしいわね。でももうとっくに籍は入れてるんだもんね。案外専務の方が待ち遠しかったんじゃないかしら?」
「それは、そんなことは…ない、と思いますけど…」
美羽は照れながら曖昧に答える。
多分…いや絶対、潤も相当楽しみにしているのは確かだ。
この前パーティ用のドレスを選びに行ったとき、かなり嬉しそうにしていたのが思い出される。この姿を他の奴らに見せるのがもったいないとも言っていた。
彼は変わった。
美羽を好きだと自覚してからも変わったが、結婚してからはさらに変わった。時に大人に、時に子どものように。実に様々な顔を見せてくれるようになった。
だがそれは美羽も同じこと。互いに長年眠りについていた嘘偽りのない本来の自分が出せるようになったというだけであって、それを実感できることがお互いにとってこの上なく幸せなことだった。
「ま~た自分の世界に入ってる!」
「あっ…ごめんなさい!!」
潤とのことを考えるとつい自分の世界に没頭してしまう。
そしてそれをあかねにからかわれるのが日常茶飯事になっていた。
「な~んて、…実は私もちょっとのろけていい?」
「えっ?」