愛を知る小鳥
トクントクン…
心地いい音が聞こえる…
今までの私ならこんなことあり得ない。触れられることすら恐怖でしかないのに、何故私は彼の行為を受け入れているのだろう…?
わからない。
わからないけれど、ただ一つわかることは、この音に包まれていると次第に心が凪いでいくということだけ。ざわざわと恐怖に苛まれていた心が、少しずつ癒やされていくということだけ…
美羽は抵抗することもなく、潤の胸の中に身を委ねた。目を閉じて静かに彼の心音に耳を傾ける。潤はそんな彼女を優しく包み込んだ。まだ震えの残る彼女を落ち着かせるように優しく、優しく。
やがて体から震えがおさまった頃ようやく美羽が口を開いた。
「今、何時ですか…?」
「…夜中の2時過ぎだな」
ガバッと潤の体から身を剥がすと驚きで固まった。
「そ、そんなに…? すみません! ご迷惑をかけてしまって…何とお詫びをしていいのか、あの…」
「そんなことは気にしなくていい。元々俺がここに連れてきたんだ。お前が気にするようなことは何一つない」
「でも…!」
スッと伸びてきた両手が美羽の頬を包む。瞬間ビクッと体が跳ねるが、不思議と恐怖心はなかった。潤はそんな彼女を覗き込むように言った。
「言っただろう? 俺がそうしたくて連れてきたんだ。だから何も気にしなくていい」
「でもこのまま泊まるわけには…」
「今から帰るって? 馬鹿なことを言うな。今日は週末で仕事は休みだろ。何も考えずに今は体を休めるんだ。俺は何一つ迷惑だなんて思っていない」
否定の言葉は認めないとばかりに言い切られ、こんなに迷惑をかけておきながら更にこれ以上自分の我が儘を突き通すのは躊躇われた。ここは素直に厚意に従ったほうがいいのだろう。美羽は躊躇いながらも小さく頷いた。
「はい…本当にごめんなさい。…ありがとうございます」
「ごめんなさいはいらない」
ニッと口角を上げて言う潤の姿に胸がギュッとなる。彼の優しさが心に染み入ってくる。
心地いい音が聞こえる…
今までの私ならこんなことあり得ない。触れられることすら恐怖でしかないのに、何故私は彼の行為を受け入れているのだろう…?
わからない。
わからないけれど、ただ一つわかることは、この音に包まれていると次第に心が凪いでいくということだけ。ざわざわと恐怖に苛まれていた心が、少しずつ癒やされていくということだけ…
美羽は抵抗することもなく、潤の胸の中に身を委ねた。目を閉じて静かに彼の心音に耳を傾ける。潤はそんな彼女を優しく包み込んだ。まだ震えの残る彼女を落ち着かせるように優しく、優しく。
やがて体から震えがおさまった頃ようやく美羽が口を開いた。
「今、何時ですか…?」
「…夜中の2時過ぎだな」
ガバッと潤の体から身を剥がすと驚きで固まった。
「そ、そんなに…? すみません! ご迷惑をかけてしまって…何とお詫びをしていいのか、あの…」
「そんなことは気にしなくていい。元々俺がここに連れてきたんだ。お前が気にするようなことは何一つない」
「でも…!」
スッと伸びてきた両手が美羽の頬を包む。瞬間ビクッと体が跳ねるが、不思議と恐怖心はなかった。潤はそんな彼女を覗き込むように言った。
「言っただろう? 俺がそうしたくて連れてきたんだ。だから何も気にしなくていい」
「でもこのまま泊まるわけには…」
「今から帰るって? 馬鹿なことを言うな。今日は週末で仕事は休みだろ。何も考えずに今は体を休めるんだ。俺は何一つ迷惑だなんて思っていない」
否定の言葉は認めないとばかりに言い切られ、こんなに迷惑をかけておきながら更にこれ以上自分の我が儘を突き通すのは躊躇われた。ここは素直に厚意に従ったほうがいいのだろう。美羽は躊躇いながらも小さく頷いた。
「はい…本当にごめんなさい。…ありがとうございます」
「ごめんなさいはいらない」
ニッと口角を上げて言う潤の姿に胸がギュッとなる。彼の優しさが心に染み入ってくる。