愛を知る小鳥
どこからか甘い香りが漂ってくる。
その香りにつられるように意識が浮上した。
「…」
目の前には身に覚えのない天井。寝ているベッドもこれまで感じたことのないような柔らかい寝心地だ。私は今どこにいるんだろう…?
「…えっ?!」
ようやく意識がはっきりしてきた美羽はガバッと飛び起きた。
「ここはどこ?!」
部屋を見渡すと自分の住む部屋よりも遥かに広い寝室であることがわかる。モノトーンな雰囲気の部屋には明かりが灯されたままになっていて、カーテンの隙間から見える光で既に夜が明けていることが伺える。ダブル程のベッドにいる自分の身なりを確認すると、昨日着ていたスーツのままだ。上着だけは壁際のハンガーに綺麗に掛けられている。ふと目をやるとベッドサイドに眼鏡が置かれているのに気づいた。
「昨日は…確か今井さんと食事をして…それから…」
そこまで考えてハッとする。自分がエレベーターの中で突然の暗闇に我を失ってしまったことを。記憶の奥底で必死に自分を宥める専務の声が蘇ってくる。
「あの後は…?」
美羽の記憶はそこで途切れていた。しかし今の状況から察するに、この家の主は一人しか思い浮かばない。見た感じ女性の部屋のようには見えない。まさか…
美羽はおそるおそるベッドから降りると、部屋の外へと足を進めた。廊下に出ると両側に扉が一つずつあり、先程から甘い匂いを漂わせて音のする方の扉へと手を伸ばした。
その香りにつられるように意識が浮上した。
「…」
目の前には身に覚えのない天井。寝ているベッドもこれまで感じたことのないような柔らかい寝心地だ。私は今どこにいるんだろう…?
「…えっ?!」
ようやく意識がはっきりしてきた美羽はガバッと飛び起きた。
「ここはどこ?!」
部屋を見渡すと自分の住む部屋よりも遥かに広い寝室であることがわかる。モノトーンな雰囲気の部屋には明かりが灯されたままになっていて、カーテンの隙間から見える光で既に夜が明けていることが伺える。ダブル程のベッドにいる自分の身なりを確認すると、昨日着ていたスーツのままだ。上着だけは壁際のハンガーに綺麗に掛けられている。ふと目をやるとベッドサイドに眼鏡が置かれているのに気づいた。
「昨日は…確か今井さんと食事をして…それから…」
そこまで考えてハッとする。自分がエレベーターの中で突然の暗闇に我を失ってしまったことを。記憶の奥底で必死に自分を宥める専務の声が蘇ってくる。
「あの後は…?」
美羽の記憶はそこで途切れていた。しかし今の状況から察するに、この家の主は一人しか思い浮かばない。見た感じ女性の部屋のようには見えない。まさか…
美羽はおそるおそるベッドから降りると、部屋の外へと足を進めた。廊下に出ると両側に扉が一つずつあり、先程から甘い匂いを漂わせて音のする方の扉へと手を伸ばした。