愛を知る小鳥
「ちょっと香月さん、どうしたの! 顔が真っ青じゃない!」
「…あ…」
あかねに腕を掴まれてそこで初めて美羽は我に返った。
「も、申し訳ありません! どこもお怪我はないでしょうか? 大変申し訳ありませんでした!」
何とか平常心を保って近くにいた社員に謝罪すると、床に散乱した物を慌てて片付け始めた。その後あらためてお茶を配り終えると、部屋を出る際も何度も謝罪し続けてあかねと共に部屋を出た。
そんな明らかに様子のおかしかった美羽の後ろ姿を、
二人の男が見つめていた___
「美羽ちゃん本当にどうしたの? あなたが仕事であんなことになるなんて初めてでしょう。それに顔色が悪いしちょっと震えてるわよ。どこか具合が悪いんじゃないの?」
給湯室に戻って来るなりすぐにあかねが心配そうに顔を覗き込む。
「いえ…大丈夫ですから…。あんな大失態をしてしまって…本当に申し訳ありませんでした」
自分の不甲斐なさに、美羽は深々と頭を下げるしかなかった。
「誰でも失敗することはあるから仕方がないわ。それに専務達がしっかりフォローしてくれてるはずだから、もう気にせずに切り替えましょう」
「…はい、本当に申し訳ありません」
「それより本当に顔色が悪すぎよ? 会議が終わるのは夕方過ぎになるだろうし、それまでちょっと医務室で休んできなさい」
「いえ、そこまではご迷惑をかけられません」
「具合が悪い中仕事をしても効率が悪くなるだけよ。今なら秘書室で仕事を補えるから、とにかく一度休んできなさい。これは上司命令よ」
失敗した上に仕事に穴を開けるなんて…と激しく躊躇われたが、あかねの言うことは正論で、今の自分に冷静に業務をこなせるだけの自信がないのは事実だった。申し訳ないと思いながらも、美羽はあかねの言葉に従うことにした。
「申し訳ありません。…では少し休ませてもらいます」
「こっちのことは気にしなくていいから。ゆっくり休んできなさい」
「…あ…」
あかねに腕を掴まれてそこで初めて美羽は我に返った。
「も、申し訳ありません! どこもお怪我はないでしょうか? 大変申し訳ありませんでした!」
何とか平常心を保って近くにいた社員に謝罪すると、床に散乱した物を慌てて片付け始めた。その後あらためてお茶を配り終えると、部屋を出る際も何度も謝罪し続けてあかねと共に部屋を出た。
そんな明らかに様子のおかしかった美羽の後ろ姿を、
二人の男が見つめていた___
「美羽ちゃん本当にどうしたの? あなたが仕事であんなことになるなんて初めてでしょう。それに顔色が悪いしちょっと震えてるわよ。どこか具合が悪いんじゃないの?」
給湯室に戻って来るなりすぐにあかねが心配そうに顔を覗き込む。
「いえ…大丈夫ですから…。あんな大失態をしてしまって…本当に申し訳ありませんでした」
自分の不甲斐なさに、美羽は深々と頭を下げるしかなかった。
「誰でも失敗することはあるから仕方がないわ。それに専務達がしっかりフォローしてくれてるはずだから、もう気にせずに切り替えましょう」
「…はい、本当に申し訳ありません」
「それより本当に顔色が悪すぎよ? 会議が終わるのは夕方過ぎになるだろうし、それまでちょっと医務室で休んできなさい」
「いえ、そこまではご迷惑をかけられません」
「具合が悪い中仕事をしても効率が悪くなるだけよ。今なら秘書室で仕事を補えるから、とにかく一度休んできなさい。これは上司命令よ」
失敗した上に仕事に穴を開けるなんて…と激しく躊躇われたが、あかねの言うことは正論で、今の自分に冷静に業務をこなせるだけの自信がないのは事実だった。申し訳ないと思いながらも、美羽はあかねの言葉に従うことにした。
「申し訳ありません。…では少し休ませてもらいます」
「こっちのことは気にしなくていいから。ゆっくり休んできなさい」