愛を知る小鳥
会議の間、潤の頭の中では先程の美羽の様子が離れずにいた。見ていた限り、部屋に入ってからしばらくはいつもと何も変わらなかったはずだ。だがある瞬間で彼女の様子は激変してしまった。どこかを見てからだったように思う。この場にいたのは自分も含めて男性しかいない。
そして一番気がかりなのはあの取り乱した様子だ。
あれは…あの夜暗闇の中で見せた彼女の姿とほぼ同じだった。仕事中彼女が取り乱したことなどただの一度もない。女共にどんな嫌がらせを受けようとも、常に冷静に対処してきた彼女だ。ましてやこのような重要な会議で失態をおかすなど考えられない。そんな彼女があそこまで乱される原因とは…
そこまで考えた潤は激しい胸騒ぎを覚えていた。
バタン!
突然開いた扉の音にあかねが弾かれるように顔を上げた。
「専務、お疲れ様でした。会議はいかがでしたか?」
「あぁ、予定通り進みそうで何も問題はない。…香月は?」
辺りを見回すがそれらしい人物は見当たらない。
「かなり顔色が悪かったので私が休むように言ったんです。会議が終わる頃には戻ってくるかと思ってたんですが…。専務、後で様子を見に行ってもらえませんか?」
「…あぁ、そうだな」
「さっきの美羽ちゃん、見たこともないような様子だったから、ちょっと心配なんですよね…」
「…」
あかねの言葉に潤は何も返すことができなかった。
そして一番気がかりなのはあの取り乱した様子だ。
あれは…あの夜暗闇の中で見せた彼女の姿とほぼ同じだった。仕事中彼女が取り乱したことなどただの一度もない。女共にどんな嫌がらせを受けようとも、常に冷静に対処してきた彼女だ。ましてやこのような重要な会議で失態をおかすなど考えられない。そんな彼女があそこまで乱される原因とは…
そこまで考えた潤は激しい胸騒ぎを覚えていた。
バタン!
突然開いた扉の音にあかねが弾かれるように顔を上げた。
「専務、お疲れ様でした。会議はいかがでしたか?」
「あぁ、予定通り進みそうで何も問題はない。…香月は?」
辺りを見回すがそれらしい人物は見当たらない。
「かなり顔色が悪かったので私が休むように言ったんです。会議が終わる頃には戻ってくるかと思ってたんですが…。専務、後で様子を見に行ってもらえませんか?」
「…あぁ、そうだな」
「さっきの美羽ちゃん、見たこともないような様子だったから、ちょっと心配なんですよね…」
「…」
あかねの言葉に潤は何も返すことができなかった。