キミと見た景色をもう一度
何も変わらないまま月日は経ち、いつの間にか体育祭当日になってた。
「暑い~」
「皆よりはまだマシだと思うけど?」
今いるところは、グラウンドに設置された本部。
テントが張り巡らされていて、私たちは真夏の炎天下に直接当たっていない。
しかし、ここから見える景色は、
どこも陽炎がゆらゆら立ち上っていて見ているだけで暑さが増す。
そんな中に他の生徒はいるのだ。
そのことを考えたら私たちは贅沢だ。
「ほら、ジュースでも飲んで黙ってて」
「はーい・・・」
拓人が自販機で買ったばかりの冷たいスポドリで黙らせることが出来た。