キミと見た景色をもう一度
「僕は、憂と二人で精一杯生きていきたい」
「・・・・・・」
「笑って過ごすんでしょ?楽しく過ごすんでしょ?素直に生きるんでしょ?」
前、拓人に言った残りの時間の過ごし方。
「なら、胸張って堂々としていようよ。
イヤなことも忘れるぐらい楽しくしようよ。
不安があるなら僕でもいいからきちんと話そうよ」
拓人の言葉一つ一つが胸に突き刺さる。
「怖がらずに前向いて生きようよ」
「うん・・・うん・・・!」
鼻の奥がツーンと痺れて、目の奥が熱を帯びてきて。
また、視界が霞んで見える。
頬を伝う軌跡が、ゆっくりと零れ落ち拓人の肩を濡らした。