「26歳と18歳」聡side
1話「莉々野雪」
「大丈夫か?」
「はい…。」
やっぱり風邪だった。こいつを自分の部屋に連れてきて看病をしていた。今はちょうど熱が下がったところだ。
「そういえば、まだ名前聞いてなかったな。」
「あ…!すみません…。」
「別に構わないさ。で、名前は?」
「莉々野雪です。」
「歳は?」
「18です。」
「学生か?」
「あ、はい…大学生です。」
「どこの学校だ?」
「錬帝学園…です。」
質問責めにしすぎた感がある。
……ちょっと待て!錬帝学園って金持ち学校じゃねぇか!両親がいないのによくその学校にいられるな!!
「莉々野!!」
「はい!?」
「錬帝学園って…なんでそんな学校にいられるんだ?!」
「わ、私の母が理事長の親友で小さい頃からよくしてもらったんです…」
「だから、いることができるのか。」
「はい…。」
こいつの母親が理事長の親友……ちょっと会ってみる必要があるな。多分。
それに気になるのはこいつが今住んでる親戚の家だな。
「莉々野、お前が住んでる親戚の家の名前はなんだ?」
「あ、えっと……茨木さんです。」
茨木……俺に借金してるやつじゃないだろうな…
「莉々野…その茨木って茨木晋二か?」
「あ、ご存じなんですか?」
「借金してるやつだ。」
「え!?」
「…知らないのか?」
「何も話してくれないし…それに親切で…優しくして…くれて…それから…それから…」
莉々野の肩が震えだした。顔を覗き込むと目に涙をうかべていた。
俺は莉々野の顔を見ていると心が痛くなってきた。だから、優しく莉々野を抱きしめた。
「何かされてるのか?」
「……言ったら何をされるかわからない…」
「莉々……っ!」
かすかに見えていた足から打撲のような傷が見えた。
まさか、こいつ茨木に暴力をうけてるんじゃ…。
そんなことばかりが俺の脳内をグルグル回っていた。
「はい…。」
やっぱり風邪だった。こいつを自分の部屋に連れてきて看病をしていた。今はちょうど熱が下がったところだ。
「そういえば、まだ名前聞いてなかったな。」
「あ…!すみません…。」
「別に構わないさ。で、名前は?」
「莉々野雪です。」
「歳は?」
「18です。」
「学生か?」
「あ、はい…大学生です。」
「どこの学校だ?」
「錬帝学園…です。」
質問責めにしすぎた感がある。
……ちょっと待て!錬帝学園って金持ち学校じゃねぇか!両親がいないのによくその学校にいられるな!!
「莉々野!!」
「はい!?」
「錬帝学園って…なんでそんな学校にいられるんだ?!」
「わ、私の母が理事長の親友で小さい頃からよくしてもらったんです…」
「だから、いることができるのか。」
「はい…。」
こいつの母親が理事長の親友……ちょっと会ってみる必要があるな。多分。
それに気になるのはこいつが今住んでる親戚の家だな。
「莉々野、お前が住んでる親戚の家の名前はなんだ?」
「あ、えっと……茨木さんです。」
茨木……俺に借金してるやつじゃないだろうな…
「莉々野…その茨木って茨木晋二か?」
「あ、ご存じなんですか?」
「借金してるやつだ。」
「え!?」
「…知らないのか?」
「何も話してくれないし…それに親切で…優しくして…くれて…それから…それから…」
莉々野の肩が震えだした。顔を覗き込むと目に涙をうかべていた。
俺は莉々野の顔を見ていると心が痛くなってきた。だから、優しく莉々野を抱きしめた。
「何かされてるのか?」
「……言ったら何をされるかわからない…」
「莉々……っ!」
かすかに見えていた足から打撲のような傷が見えた。
まさか、こいつ茨木に暴力をうけてるんじゃ…。
そんなことばかりが俺の脳内をグルグル回っていた。