空の向こう
おかしいな…

私は数学の教科書がないことに気が付いた。

昨日…確か…


あっ!

そうだっ!

昨日、予習したときに机の上に置きっぱなしだった…。

どうしよう…





ポンッ



私の頭の上に何かが置かれた。

数学の教科書だ。

何で?

私は振り返った。

幼なじみの佐久間直が笑っている。

「ちさと今日、教科書忘れただろ?俺の貸してやるよ。」

いつも優しい直。

「えっ?でも…それじゃ直が困るじゃん?」

先生にバレないように小さく喋る私たち。

「いいから!持っとけって!」

「ん…と、ありがとう。」

私はドキドキしている。






七原千里は幼なじみの佐久間直に恋をしています―。




私はいつも優しい直が大好き。

いつも助けてくれたりする。


いつもありがとう。







ねぇ・・・直。

このとき直はどんな気持ちだったの?








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