新・かみさまごっこ
side S 1話:Last secret?
1
とある病院に、“彼女”はいた。
「ありがとうございます……っ! このご恩は一生忘れません」
「いえ……そんな…………」
中年女性が涙を流し感謝をしている相手。それが“救世”の力を与えられた宮園志那(みやぞの・しな)である。
歳は十六。セミロングの黒髪に、黒いワンピース。
瞳の色はコンタクトレンズで黒いが、力を与えられた影響で実際は桃色に変化している。
恐らくは特別な存在を強調したいが為なのだろう。
(やはり慣れませんね……)
彼女の病院での仕事は病、あるいは傷を癒し、治すこと。そして遺体が腐敗、あるいは白骨化をしていない限りは蘇生をすることである。
しかし彼女はこの力は受け入れたものの、力を使う事に対しては戸惑いにも似た感情を抱いていた。
「あの、南雲さん……」
「どうしたんだい?」
「少し一人になって休憩を頂きたいのですが……大丈夫でしょうか?」
「うーん……本来は許しがたい事なんだけど、志那なら勝手に使う事はないだろうし。……いいよ。一時間したら戻っておいで」
「ありがとうございます……っ! このご恩は一生忘れません」
「いえ……そんな…………」
中年女性が涙を流し感謝をしている相手。それが“救世”の力を与えられた宮園志那(みやぞの・しな)である。
歳は十六。セミロングの黒髪に、黒いワンピース。
瞳の色はコンタクトレンズで黒いが、力を与えられた影響で実際は桃色に変化している。
恐らくは特別な存在を強調したいが為なのだろう。
(やはり慣れませんね……)
彼女の病院での仕事は病、あるいは傷を癒し、治すこと。そして遺体が腐敗、あるいは白骨化をしていない限りは蘇生をすることである。
しかし彼女はこの力は受け入れたものの、力を使う事に対しては戸惑いにも似た感情を抱いていた。
「あの、南雲さん……」
「どうしたんだい?」
「少し一人になって休憩を頂きたいのですが……大丈夫でしょうか?」
「うーん……本来は許しがたい事なんだけど、志那なら勝手に使う事はないだろうし。……いいよ。一時間したら戻っておいで」