新・かみさまごっこ
「貴女が宮園志那さん?」

「はい。そうですけれど……?」

「蒼一君からこれを貴女に、って」


看護師が差し出したのは青い一通の手紙。そこには“志那へ”と書かれていた。

看護師の表情が何故か悲しげに見えた事に疑問を抱きつつも、志那はその手紙の封を切り、中身を読んだ。


『志那へ

今時手書きの手紙なんて時代遅れかもしれないな。

バカみたいとか、古臭いだとか思わないでくれ。この手紙を書いたのには理由がある。

面向かってだと恥ずかしくて言えないから、此処で伝えさせて。

俺、初めて志那を見て凄く不思議な奴だって思ったんだ。他の奴と何か違うって感じでさ。

そんな奴に出会うのも初めてだったから、思わず話し掛けてしまったんだ。

大人びているように見えて実は俺より年下だなんて思いもしなかった。

お前はどう思っているか分からないけど、話し掛けた事に後悔はしていないし、

一緒にいて楽しいと思った。俺がこんなのじゃなければちゃんと思いを伝えたかった。

たった数日でこんなに思いが大きくなるなんて、漫画や小説だけだと思っていたのがバカみたいだ。

辛くなる前で良かった。それだけが唯一の救いだ。

今まで有難う。お前に幸多からん事を。 蒼一』
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