だから私は雨の日が好き。【春の章】※加筆修正版
これが今回大掛かりなプロジェクトを動かす主要メンバーかと思うと、ちょっとだけ気が重い。
どう考えてもこんなメンバーの中で、私を庇ってくれる人なんていないだろう。
尾上部長はからかわないにしても、みんなと一緒になって面白がるに決まってる。
櫻井さんは間違いなく一番厄介だし、櫻井さんがいない時の水鳥さんだって変わらないくらい厄介だ。
森川は一応フォローしているつもりかもしれないけれど、真剣な顔をして的外れな発言をする。
松山と篠木はそんな森川の発言が、どうやらツボらしい。
仕方がないか。
結局一人で右往左往してることになりそうだ、と思って肩を落とす。
「おいおい、俺がいない間に何楽しそうにしてるんだよ。仲間はずれは良くないぞ」
ほらね。
やっぱりこの人が一番厄介だ。
私の頭の上に大量の資料が乗せられる。
自分の机はすぐ横にあり、あまりに資料が乱雑におかれているので片付けてあげたばかりだ。
なので、資料を置くスペースくらいしっかり作ってあげてある。
「櫻井さん、せっかく机の上を片付けてあげたのに使わないとはどういうことですか?」
「もったいなくて使えないだけじゃないか。しぐれの頭が丁度良いところにあったんだよ」
「私そんなに小さくありませんから!!立ってる私より、座ってる森川の頭の方が丁度いいでしょう!」
「俺は、嫌ですよ」